日刊工業新聞 2005年2月15日(火)
 産業春秋
 

地球温暖化の原因となる砂漠化を防ぐ栽培法があると聞き、大阪のベンチャー企業を訪ねた。看護師寮を改良したという本社は大学の研究生用のスペースも設けられ、高温で焼成したセラミックスに根を接触させて栽培する用途開発に余念がない▼セラミックスのマイクロメートル単位の穴で植物が必要とする水だけを吸い上げるセラミックス栽培という技術だ。砂漠で行われてきた植物の根元にぽたぽたと水を落とすドリップ灌水は、余分の水を与えるために煙害を引き起こし、不毛の地にした▼世界特許を取得し、今は観葉植物や遺伝子組み換え植物などの栽培で実績を持つ。世界で毎年、四国と九州をあわせた面積のペースで広がる砂漠化を救うため、砂漠緑化への出番が待たれる▼温暖化を防ぐには植物の果たす役割が大きい。樹木も光合成によって、多くの二酸化炭素(CO2)を吸収する。だが、世界の森林の3分の1を占める熱帯林は焼き畑農業や商業伐採によって、20%以上が消失したといわれる▼日常の生活や生産活動でのCO2削減はもちろんだが、温暖化防止には植物を育てる取り組みや研究開発などの地道な努力が力になる。16日には、森林のCO2吸収量が温室効果ガスの排出削減量にカウントされる京都議定書が発効する。